年収アップ

年収アップしても後悔した転職・・・失敗から学べること

wami career

wami careerが10月に行なった転職活動の実態調査によると、転職した理由として「給与の低さ」と回答した人が最も多く、30代後半では63.83%でした。

30代の5割以上が「転職時に役立ったサービスがない」と回答wami careerは今年10月、20代〜30代の会社員200名を対象に、転職活動にまつわるアンケート調査を実施しました。調査結果の中から、特に傾向が顕著だった年代別回答結果をご紹介しています。...

一方で、前職の賃金に比べ転職後賃金が増加した割合は34.2%との調査結果もあります(厚生労働省 令和3年上半期雇用動向調査)。年収アップをしたいと考えても、実際に年収アップの転職を実現できるのは3割ちょっとなのです。けれど、さまざまな求職者を見ていると、年収アップだけが正解なのか疑問に思うことがあります。今日は、年収と転職について考えてみたいと思います。

年収は上がったけれど・・・

転職で年収を上げることができたらそれで良いでしょうか?もし、あなたが仕事に年収以外の条件、働き方・仕事内容・一緒に働く人・カルチャーなどの要件を求めるのであれば、答えはNoです。

30代の女性Aさんは大手日系企業から別の日系企業に年収を上げて転職し、年収は前職と比べて1.5倍程になりました。

Aさんお仕事は企画職。ところが、実際に行なっていたのは他社であればアシスタント業務のようなもので、企画とは程遠いものでした。にも関わらず、相場よりもかなり高い給与をもらっていたのですから、給与と実力のギャップは広がるばかりです。キャリアの行き詰まりを感じて、wami careerへ相談にきました。

転職で年収を上げることは良いことだと思います。けれど、その会社でしか評価されない人材になってしまうのなら、その年収アップの転職は本当に自分にとって最適か?を考える必要があります。

Aさんのような人が年に数名いらっしゃいます。いざ転職しようとすると、年収を下げざるを得ない場合が多く、年収を下げてまで転職はしたくないと思ってしまう人もいます。

中長期的目線を持つ

転職で年収を上げようと考えたとき、年収だけに拘りすぎることで、別の機会を逃してしまいかねません。特に、自分が希望するよりも高い年収を提示された時、その会社に行くことを正当化したいがために、内定先の良い面だけを見てしまう傾向があります。

転職では、本当に年収に見合った働き方ができるのか?という観点が必要です。Aさんの場合であれば、企画職として企画提案から実行までを主導し組織に影響を与えるような仕事ができるか、プロジェクトマネジメントのスキルを培うことができるか、といったことが見極めるポイントになります。

Aさんは短期的には年収をグンと上げることはできたけれど、実績・スキル・経験といった年収アップの土台となるものが伴っていなかったため、今いる組織以外では評価されにくくなります。そして、いざ転職しようと決めた時には、年収がネックとなり転職を決めることができないのです。

実際、Aさんは第一志望の会社から内定を獲得しましたが、年収ダウンを受け入れることができずに内定を辞退しました。心から働いてみたいと願い、たくさんの時間を面接対策に費やし、難しい選考をくぐり抜け内定を勝ち取ったにも関わらずです。

Aさんの最初の転職は、期待していた環境ではなかったという点では失敗であったかもしれません。また今回の転職活動でも最終的に内定を辞退したので結果としてはまたスタート地点に舞い戻ってしまいました。けれど、転職は「年収」だけではないし、「やりたいこと」ができれば良いという訳ではない、そんなことにも気付く機会になったはずです。

「年収」と「やりたいこと(貢献したいこと)」の解像度を上げ、次は活躍できる場所を見つけてほしいと願っています。

【TEXT: Wami