海外キャリア

海外勤務歴5年のRyotaさんに聞いた海外で働くということ(前編)

 

Wami Careerでは都内勤務を希望される方限定に転職サポートを行なっていますが、海外志向の方が多く、将来は海外で働きたいという方や過去に海外で働いたことがある方もいらっしゃいます。また過去に行なっていた単発のキャリアセッションでは、海外転職を目指す方やすでに海外で働いていて同国内で転職をしたいという方からのご相談もありました。

私自身、留学や海外勤務などで3ヶ国に住んだことがあり、海外が大好きな上に、これまでのキャリアにおいて英語と海外は切っても切り離せない存在でした。

思えば20代の頃から海外で働いてみたいという思いはありました。当時勤務していた日系金融機関で海外勤務の話が出た時には心踊りました。(結局この話は流れてしまいましたが)

その後転職した外資系金融機関で転勤の話をいただいた時には本当に嬉しかったことを覚えています。

英語x海外xキャリア、これは私の人生の軸とも言えます。

会社員時代は、日本で勤務している間もずっと海外と関わる仕事をしてきました。だから、同じような軸を持っている方を見つけると話を聞いてみたくなります。

今回は海外xキャリアを軸に活躍されている方とお話することができました。

海外キャリアを切り開くRyotaさん

バンコク在住のRyotaさんです。

新卒で入社した会社を辞めてバンコクのコンサルティングファームに入社し、現在は人材紹介会社にてエージェントとしてお仕事をする傍、転職や海外キャリアについて発信をされています。

海外在住歴5年のRyotaさんに、海外キャリアについて色々とお話を伺いました。

Wami
Wami
こんにちは!
こんにちは!
Wami
Wami
今日は海外で働くことについて色々お話を聞かせてください!よろしくお願いします
よろしくお願いします!

海外で働くということ

Wami
Wami
色々聞きたいことがあるんですが、最初に日本と海外で働くことの大きな違いについて教えてください。
 Ryota
Ryota
仕事キャリアにおける大きな違いは、やっぱり年齢若くしてある程度権限の持ったポジションや仕事を任せてもらえることでしょうか
Wami
Wami
私もそれは感じます!

30代でもたくさんの部下を持っていたり、APAC全体の会議をリードしたり、大きな仕事を任される人は多いですよね。私の上司も31歳でMDでしたし。海外では若くても昇進も早いですしチャンスはいっぱいありますよね。

Ryota
Ryota
そうなんです。やっぱり、そもそもそ語学力や海外の文化になじむとか、相手を理解するとかそれができるポジションって人がまだ足りていないと思っていて。業務経験とか社会人経験がなくてもそっちのベースに強みがあるのであれば、放り込んで育ててやろうっていう環境なので、チャンスをもらいやすくなりますね。
Wami
Wami
私もそう思います。金融業界でもアジアにいた方がチャンスが多いですし、優秀な方がアジアに集まるなっていう印象があります。もちろん競争も激しいですけどね。

Roytaさん日本にいらした時はコンサルではなかったんですよね?

Ryota
Ryota
日本にいた時は日系の大手IT・通信企業で営業をしていました。コンサルとは全く関係ない仕事でしたね。

海外転職を目指した理由

業界も職種も違う上に、違う国への転職っていうのはチャレンジングだと思うんですが、そもそもなぜ営業ではなくコンサルで転職されたのですか?
Ryota
Ryota
実は転職活動の段階でコンサル業界は見ていなかったんですよ。

転職をしたのは27歳の時だったのですが、業界や職種にそもそも強い希望がなかったんですね。今思えば例えばWamiさんがやってる年収アップやキャリアを作るっていう意味ではしっかり軸を考えないといけなかったとは思うのですが、その時の僕の軸は若くして海外に出ることで20代は市場価値を上げたいという思いがあったんですね。これがファーストプライオリティでセカンドプライオリティは優秀な人たちと仕事がしたいという思いがあったんです。海外で優秀な人たちと働きたいという思いで転職活動をしていて、友人の紹介でコンサルに転職したんです。

Wami
Wami
若い頃からちゃんと考えていらしたんですね。

市場価値を上げることにフォーカスとおっしゃっていましたが、具体的にどのようなことを指していますか?

Ryota
Ryota
経験値と希少性ですね。27歳の時の僕は今ほど具体的にキャリアを考えられていなかったので、日本でモヤモヤしたまま過ごすのであれば、海外で今自分がやりたいと確信が持てることをやりたかったんです。人がやらない領域を掛け算していくっていうイメージですよね。
Wami
Wami
希少性はキャリアをつくっていく上で大事ですよね。市場価値とか年収は需要と供給だと思っていて、希少性が高ければ高いほどチャンスに恵まれることはありますよね。
Ryota
Ryota
そうですね。当時は需要ってところはものすごく意識できてた訳ではないけれど、若くして海外でコンサルっていう仕事で経験をしていけば、アジアでキャリアアップし続けてる人は少なかったので、どこでもやっていけそうな確信がなんとなくあったんです
Wami
Wami
実際海外で働いてみて希少性を高めることはできたと思いますか?
Ryota
Ryota
そうですね、できたと思います!

海外志向は学生時代から

Wami
Wami
若くして海外に飛びだしたいと思う方は少なくないと思いますが、海外転職の際にどのようなことを考えたらいいと思いますか?何かアドバイスありますか?
Ryota
Ryota
大きな道筋としては、闇雲に飛び出せばいいと言う訳ではないと思うんです。
Wami
Wami
軸なりある程度考えておいた方がいいということですか?
Ryota
Ryota
そうですね、ケースバイケースではありますが。。。僕の場合は最初に大企業のトレーニーで海外に行かせてもらったのが入社2年目だったんです。会社のお金で行かせてもらったので、リスクはないじゃないですか?もしそういうチャンスをつかめるなら掴んだ方がいいと思いますね
Wami
Wami
確かに、そのような機会はリスクがないですよね。

ところで、トレーニーって入社するとみんながいけるものなのですか?

Ryota
Ryota
もちろん選抜制でしたが、当時は入社前から2、3年後に海外トレーニーがあるということを知っていたんです。それも入社の決め手でした。
Wami
Wami
学生時代から海外志向だったのですね。
Ryota
Ryota
はいそうです。もし同じように学生時代から海外志向があるなら、そこを軸に企業を選んでいくっていうのも1つかなぁと。具体的なところでいうと総合商社とかグローバルメーカーあたりですかね。数は多くはないですけれどね。
Wami
Wami
なるほど!日系企業時代に1年間の海外での暮らしがあったから、自分から海外へ飛び込むということ自体高い壁ではなかったのですね。

海外で必要なスキルセット

Wami
Wami
冒頭で、文化に馴染むとか言語ができる人というお話をしてましたけれど、海外でやっていくために必要な実務経験以外のスキルセットってどんなものがありますか?

私は遠慮がちだったので、とにかく話せ!と言われました。同僚たちはいつも自身満々に話してたけど、実はたいしたこと言ってなかったりするんですよね。とにかく主張することが大事だなって学んだんですが、Ryotaさんはどう思います?

Ryota
Ryota
一番最初に思い浮かぶことは、柔軟性とかアジャストする力ですかね。さらに成果を出していくには日本でしっかり実務経験とかビジネススキルとか仕事の進め方とか持った状態でアジャストできるといいんじゃないかな。

例えば実務経験があっても海外式にアジャストしていかないといけないし、逆にアジャストする力があると日本でやってきたことって活かせるんじゃないかなぁ。

Wami
Wami
確かにそうですよね。日本って要求が高いから、細かい仕事ができることは評価のポイントにもなりますよね。
Ryota
Ryota
そうですね。外資で働くのか、日系企業の海外拠点で働くのかによっても求められるスキルセットは違ってくるとは思いますが、日本人が海外で働くっていうのは、優秀な外国人と全く同じフィールドで働くよりは、日本人として日系クライアントを取ってくることができるということがメインだと思うので、そういう意味だと日本式と海外アジア式のうまく橋渡し役になる必要があって、そのためには日本式の仕事の進め方とか文化を知ってることが大事になってくると思います。
Wami
Wami
両方知ってるってことは強みにもなりますよね。

 

海外勤務に必要な英語力

Wami
Wami
ところで、私がサポートしてる方の中には、海外で働きたいという方も結構いらっしゃるんですが、そこでよく質問を受けるのは英語力なんです。Ryotaさんがコンサルで勤務していた時はどれくらいの英語力が必要でしたか?
Ryota
Ryota
高い英語力が必要でした。現地のプロジェクトマネージャーのもと1つのプロジェクトを進めるので、全部英語でやらないといけなかったんです。
Wami
Wami
コンサルティングファームは日系でしたか?
Ryota
Ryota
日系でした。クライアントも日系でしたが、日本人社員が全体の10%位でしたから、MDは日本人でしたがその下がタイ人だったりインドネシア人だったりです。

 

英語力上達に必要なこと

Wami
Wami
英語力はどうやって身につけたんですか?
Ryota
Ryota
僕の中で英語が伸びたのは2つポイントがあって、一つ目は学生時代ボランティアインターンを2ヶ月やっていたんです。各国から来たインターンをしてる人たちとシェアハウスで過ごしていたんです。その時英語が全然できなくて、とにかくそこで相手にしてもらえなくて。でも仲良くなりたいからギャグをやったり笑いをとるために下ネタを言ったり(笑)、サッカーなんかの共通の話題を話していたんです。

言葉は喋れなくても相手の心を掴んでいけば、ネィティブの言い回しをしなくても相手に伝わるんだなって思ったんです。それが英語を話す上でのストッパーを話すトリガーになりましたね。

Wami
Wami
学生時代からそいういう経験をしていたんですね。
Ryota
Ryota
そうなんです(笑)。

2つ目が入社後のトレーニーです。その時も同じ状況で、英語を話すことに対するストッパーは外れていたけれどビジネスレベルではなかったんです。特にインドだったので、インド訛りの英語に慣れるのに苦労しました(笑)

Wami
Wami
難しいですよね、インド人の英語。

(インド英語といえば、丸尾さんこの記事を思い出しました)

Ryota
Ryota
難しいですよね。

最初はミーティングとかでも仲間外だったんですよね(涙)。あんまり相手にされていないような感じで。とにかく打席に立たなきゃそもそも英語を話す機会もないし仕事もできないなって思って。

例えばインド人って仕事中にチャイタイムっていうのが2回くらいあって、屋台に行くんですけど、とにかくそこに付いていって信頼構築と英語を話さざるをえない環境を作っていったんです。

Wami
Wami
チャイタイムってなんだか可愛いですね(笑)

そういう積極性が大事ですよね。結局話さないと始まらないですからね。

私もネイティブとか帰国子女の前で話すなんてできないわって思っていたけれど、話すことが大事で、ちょっとくらい文法が変でも自信満々に話すって大事ですよね

Ryota
Ryota
そうです!自信を持って話すためには、自分が勝手につくってる障壁をとっぱらうことで、下手くそでもいいし、ネイティブの表現を知らなくてもいいから、自分の知ってる単語で伝えたいことを伝えられるかが重要だなと思います。最初は単語とか表現を知ってから話すんじゃなくて、今知ってる単語と表現で伝えて、勘所をみたいなものを打席に立ちながら覚えていくってことが、自信を持って話すことに繋がるんじゃないかなって思います。
Wami
Wami
英語学習ってマインドの方が大事ですね。

ビジネスの場では帰国子女もネイティブ並みの人もいっぱいいますからそういう人たちと競ったりしちゃだめですね。

Ryota
Ryota
そうです!めちゃくちゃな英語なのに自信満々に話す人いますからね。

特に非ネイティブの方々はそうですが、必ずしも発音や文法が正しくなくても、臆せず自信満々に話しますよね。この精神はやっぱり日本人に圧倒的に足りてない部分だと思います。例えば、文法だけなら意外と日本人の大学生の方が知ってるのでは、と思うこともあります。大学生まで勉強した基礎的な知識があるはずですから、そのベースが少しでもあればあとは単語帳を覚えるとかTOEICをとるよりも話すことのほうが大事なって思います。

Wami
Wami
打席に立つってことですよね(笑)。

今日はこいういうお話をするってことで考えていたことがあるんです。私には子供がいるんですけれど、3歳からバイリンガルなんです。子供なので文法とかぐちゃぐちゃなんですが、すごく自信を持って話すんです。自分が言いたいことを自分が知ってる単語で話すんですよね。私にもこの勇気があればもっと英語を上達したんじゃないかなって思いました。

打席に立つってシンプルですけれど、いいメッセージですよね。納得です!

海外転職の始め方

Wami
Wami
以前、海外転職を希望する方の相談とかも受けたことあるのですが、海外で働いたことがない人はどう海外転職を始めたらいいと思いますか?
Ryota
Ryota
そうですね、僕は闇雲に出てこいって感じではないんですよね。
Wami
Wami
最初の一歩としては何をしたらいいですか?
Ryota
Ryota
海外転職も日本にいるときと似てると思います。海外転職を実現した人のインタビュー記事とかありますが、そこだけだと表層的な部分しか拾えないんですよね。

もっとイメージを膨らませるには職務経歴書を書いてキャリアの棚卸しをする、エージェントに登録して棚卸ししたキャリアを市場価値や需要的な観点からどういう状況なのかをエージェントと話して把握する。

その次のステップとして求人を見せてもらって、待遇や給与などもそうですし、どれくらい自分の希望とマッチしてるか、または乖離があるかを知ることですね。

Wami
Wami
転職活動自体は日本で行うプロセスと同じと考えていいみたいですね。

今エージェントとして仕事されていますが、日本にいて海外で働きたいわって方もいらしゃるんですか?

Ryota
Ryota
半々くらいですね。
Wami
Wami
素朴な疑問なのですが・・・、今日本にいて海外で働くということは、そうそう簡単にいくものじゃないんじゃないかって思うんです。

今おっしゃったようなステップで本当に海外転職が叶うのかなって疑問があるんですけれど、海外転職って本当にできるものなのですか?

Ryota
Ryota
おっしゃる通りです!

「心で感じる」「頭で考える」と二つの側面があると思うんですが、ことで、最後飛び出せるかどうかは心が踊るかどうかなんです。ここに関しては違うアプローチが必要だと思います。

僕の場合は、海外にバックパックに行ったり(笑)、出張に行ったりトレーニーに行ったり、アジアでやっていくというのは理屈抜きでやってみたいと思っていたんです。自分の感覚を確かめていく作業っていうのが必要なんですよ。社会人は時間がないですけれど、長期休暇で現地に足を運んで実際に働いている人の話を聞いたり、住環境とか食環境を体験してみるのがいいと思うんです。それが実現できないのであれば、身近に相談できる経験者がいればいいと思います。

Wami
Wami
自分の感覚を確かめるって表現、なんかいいですよね(笑)。進めて行く中で、違うなって思うかもしれないし。

私も海外出張や旅行に行くたびに海外いいな〜って思っていて、それは確認作業だったんだなって思います。

長期休暇などで暮らすように過ごしてみるのはいいですよね。結局海外転職は海外で生活することですから、そこでやっていけるかどうかの確認は大事ですよね

Ryota
Ryota
本当そこは大事です。
Wami
Wami
海外で過ごしてみて、そこでやっていけそうと思えたら、それが海外転職のモチベーションにもなりますものね(笑)

気がつけば1時間近く話していました。長くなったので、今日はここまでです。

実際海外で働いている方に、海外で働くということについて、生の声を聞くことができたのはとても貴重な機会でした。

20代の頃から主体的に動きながら日本を飛び出しキャリアを作っているなんて、格好良いですよね!

キャリアにおいても、英語学習においても、Ryotaさんがいうように『打席に立つ』ことの重要性を改めて感じました。そして打席に立つために見えないところでもバットを振り続けているんだろうなと想像します。

さて、次回は海外転職に関してお聞きしたことを、引き続きご紹介したいと思います。海外転職の求人や待遇に関することをお聞きしました。待遇面はとっても気になる部分であります。

海外転職に興味があるかたは是非Ryotaさんが運営しているメディアも参考にしてみてくださいね。
アジアで生きる人のための羅針盤メディア『Asia Career Labo』