前回の記事では、職務経歴の洗い出しについて書きました。今回は職務経歴をもとにどのように自己PRと職務要約を作成するかをご紹介します。
自己PRで伝えること
自己PRは、自分がどのようなスキルや強みをもって会社や事業に貢献できるかを、具体的に伝える項目です。
スキルや強みは、実績が伴っていること、且つ転職先でも必要とされることが大前提です。例えば、改善実績を全く書いていないのに、業務改善力を自己PRでアピールしても説得性に欠けてしまいますよね。また、コンサル職に応募するのに、営業経験があるからといって営業力だけをアピールしていてはマッチしないのです。(この場合、営業職を通して培ったコミュニケーション力、交渉力、調整力、提案力などがコンサル業務にどう活かせるかといった観点からアピールすることはできます)
一貫性と説得性を担保するためには、洗い出した実績と応募したい求人票、両者に共通するキーワードを使いながら自己PRをまとめていくことです。
キーワード選定
自己PRを作成する時は、いきなり文章を書かず、まず3つのキーワードを選んでみましょう。その時、1〜2つは専門領域や職種に直結すること、1〜2つはポータブルスキル(業種や職種が変わっても活かすことができる汎用性のある能力)を選ぶと良いでしょう。
例えば、営業アシスタントであれば「営業目線でのサポート構築力」、営業職なら「顧客からの信頼を獲得する商品提案力・企画力」「自社の提供価値を最大化する企画力・実現力」、PMOなら「多国籍チームを含めたプロジェクトマネジメント経験」、などが一例です。営業職だからといって「営業力」を選んでしまうと、幅が広くなってしまい結果的にインパクトに欠けてしまいます。営業力をアピールしたい場合、営業力を分解して、営業実績を生み出している力を特定し、そこに「自社の提供価値を最大化する」などの貢献要素を肉付けすることでより自分らしい強みになります。
また、ポータブルスキルのキーワードとしては、「臨機応変に対応する柔軟性」「ゼロからフローを確立しながらプロジェクトを進める力」「全体を見通す力」などがあります。「周囲を巻き込む力x業務推進力」と2つを掛け合わせても良いですね。ポータブルスキルはたくさんありますので、誰かの参考例を真似るのではなく、実績が伴う自分だけの強みを見つけられると良いですね。
そうして選定したキーワードについて、3行程度でストーリーを交えて自己PR文を作成します。営業職として、商品提案・企画において実績がある人の自己PRはこのようなものになります。
顧客からの信頼を獲得する商品提案力・企画力
商品提案においては、1)固定概念に縛られない、2)顧客先の購買層を見据える、3)顧客トレンドを狙う、4)エンドクライアントの商品購入シーンを想像した提案を意識しております。この結果、販売力のある商品を生み出し、顧客からの信頼獲得と安定した売上を実現しています。
改善実績があるならば、改善を自己PRに書いても良いですね。バックオフィスや事務職・アシスタントの方は、改善力は職種に直結する強みにもポータブルスキルにもなります。
改善・品質向上への主体的取り組み
日常業務における改善と品質向上に向けた取り組みを得意としています。現職では、契約者からの苦情対応及び再発防止策の実施、契約手続きに係る事務ミスの削減、工数削減による効率化を主体的に行っています。
自己PRで、契約者からの苦情対応、契約手続きに係る事務ミスの削減、工数削減と書くからには、職務経歴の実績欄できちんとそれらの実績を書く必要があります。実績がないと、採用担当者は、改善力があるのか疑問に思ってしまいますからね。
職務要約をまとめる
自己PRが完成したら、冒頭の職務要約をまとめてみましょう。
どのような会社/業界でどのような職種に従事してきたか、そこでどのような経験・スキルを培ってきたのかを簡単にまとめてみましょう。ここで、自己PRで使ったキーワードを1つ2つ使ってみることで、どのような人なのかを端的に伝えることができます。例えば、営業職でもバックオフィスでも企画職でも、様々なプロジェクトや改善をしてきたのなら、「プロジェクト管理・業務改善を通じてマネジメント力も養ってきました」などと書いて要約を締め括ることで、経歴+強みが明確になりますよね。
要約よりも職務経歴と自己PRを先に作成する理由がおわかりだと思います。
まとめ
職務経歴書を作成することで、今あるものが見えてくると思います。足りないことに目を奪われがちですが、転職活動では今ある武器(スキル・経験)を言語化し、それで勝負をすることが内定獲得の近道であり、より納得感のある転職活動へと繋がります。
2回に渡り、職務経歴書の書き方についてご紹介しました。ネット上にはたくさんの職務経歴書の書き方に関する情報があります。そんな書き方があるんだという参考にするのは良いですが、そのままコピペするのではなく、自分だけのストーリーが詰まった職務経歴書を作成してみましょう。転職活動をする方の参考になれば幸いです。
職務経歴書の作成方法は分かったけれど、やっぱりひとりでは難しいという方は、是非強みの言語化をサポートする私たちメンターに頼ってみてください。
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【TEXT:wami career編集部】