グローバル化が進む昨今はいろんなチャンスがあり、海外転職の可能性も出てきている。
私も長年の日本企業勤務から海外企業の現地採用を実現した。今回は私が海外転職した際に手探りで見つけたコツ(準備、狙いの定め方、自分の整え方)をお伝えしようと思う。
準備のコツ
Whyをはっきり持つ
転職はそれなりの時間と労力を必要。なぜ海外で転職したいのか、海外で転職してどうしたいか、の海外転職のWhyは最初にはっきり持っておきたい。なんとなくやってみたいで続けるには長く厳しい道のりだから。
私は子供の教育と家族の生活を海外で続けたかった事と人生一度は海外企業でチャレンジしたいと思っていた為海外転職を志した。海外転職を志すまでは日本企業での経験が海外企業で通用するとは思えず長年勝手に諦めていた。しかし実際海外転職された人の話を聞いているうちにできる気がしてきて海外転職を志すようになった。
語学力
海外転職したいと思っているなら英語か現地語で仕事ができないと面接すら通らない。非英語圏への転職の場合は現地語ができればベストだが、英語で仕事をして現地語もできる、という人も多いし、探せば非英語圏でも英語だけで仕事ができるところもある。(私の勤務先は英語だけで仕事ができる)
海外企業で求められる英語力は、日本企業の非英語圏駐在より厳しい。日系駐在の場合、外国人と言えど日本人の英語レベルがある程度わかる人と仕事するのである程度加減してもらえるが海外企業だとそれはない。
語学力は一朝一夕にできるものではないので、語学力に自信がない人は海外就職、転職を目指した時から始めた方がいい。
CV、カバーレター等の書類
今までの経験の要素を凝縮させ、書く内容の吟味をし何人かに見てもらう。そしてネイティブチェックも忘れずに。
私はネイティブのCVの添削サービスを受けた。ネイティブの選ぶ単語や表現は相手の目に留まりやすく、刺さりやすい。
CVの前に自己分析をすると思うが、その際、日本人、日本文化特有の良さもアピールポイントに入れたい。例えば、和を重んじる、気配り、仁義を切る等は日本文化特有で日本だと当たり前なこと。裏を返せば周囲への気配り、チームワークに長けている、とも言える。これは個人主義の文化では当たり前ではない。海外に出ると日本の常識も良いアピールポイントになる。これは中々気づかないので海外生活、海外就労経験の長い人と話して見つけるとよいと思う。
面接対策
CV,カバーレターが通ってからは面接対策。英語での面接練習サービスを提供しているところもある。私はCVチェックと面接練習をやってくれる人にお願いした。
知り合いで面接練習に付き合ってくれる人がいればお願いしてもいい。
外国語で面接は日本語の面接より緊張するので何度かロープレをしておくのがおすすめ。
狙いの定め方
地域、応募企業の選び方
外国人として海外企業で働く場合、永住権を持っていない限りVISAという課題を超える必要がある。英語圏特に米、英は会社がVISAサポートをしない企業も多く、いきなり外国人が雇用されるには厳しい環境。
ヨーロッパの非英語圏では米英に比べるとVISAは取りやすいと言われているが、現地語ができないと採用やVISA取得に制限があるところもある。
例えばドイツ人は流暢に英語を話す人が多いが、ドイツ企業(特に大企業)では外国人であってもドイツ語ができることが望ましかったり、条件のこともある。
もし転職先を特定の国、地域に絞り込んでいないのであれば、非英語圏で積極的に採用をしている企業を探してみるのも手。伸びている企業は多くの優秀な人を採用をする為、世界から人を募集する。世界から採用する為、英語で仕事ができればOKの所も多いし、VISAサポートもある程度やってくれる。また伝統的な業界より新興業界の方が外国人採用のハードルは低い。
学歴
特にヨーロッパではMBA保持者は転職しやすい。ポジションも報酬も得られやすい。大企業であればマネジメントに上がるにはMBA必要、というところもあるが、勿論すべてではない。あれば良いが、なくても転職先は見つけられる。実際私もMBA持っていない。
自分の整え方
そして最後に大切なのは気持ち、モチベーションを維持する、ということ。
日本での転職と違い、海外転職は一つの場所での求人数も少ない上、外国人としてVISAや言葉のハンデを抱えながらの転職活動は難しい。
日本だと3-4ヶ月の転職活動が、海外だとうまくいって7-8か月、長ければそれ以上という場合も。長期間にわたり、転職の志を維持し、転職活動を続けていくことになる。その間、応募しても反応ががなかったり、不採用の連絡だったりを受け続ける訳で、中々厳しい道だ。自分なりの気分転換方法、ルーティーンを見つけると落ち込んだ時でも回復できる。
それと転職活動は一人でやらず、誰かサポートしてくれる人を見つけることも大切。海外転職という目標を理解してくれて、落ち込んだ時話を聞き、励ましてくれる人、できれば経験談やアドバイスも貰える人だと尚よい。
私も支えてくれるコーチや海外転職の先輩に支えられ長い海外転職活動期間を乗り切った。転職活動は自分の気持ちとのたたかいでもある。自分の気持ちやモチベーションを維持できる体制を整えることは成功への一歩だと言える。
最後に
海外転職は日本で転職するのに比べ、リクルーター、ヘッドハンターのサポートが十分でないため自分での準備がキーになると思っている。それになりに時間もかかるから海外転職を希望するならできるだけ早く準備を始めた方がいい。
オンライン面接の普及、世界的な人材不足で海外転職のきっかけは掴みやすくなっているように感じる。日本企業での勤務経験しかなくても、準備の仕方、狙いの定め方、進め方次第ではチャンスは掴める。一度しかない人生、チャレンジは自由。やってみたいと思うのなら経験者に話を聞く、という一歩から始めてみるのも手だ。
【TEXT: Shelly】