スタートアップの転職

【スタートアップ転職】「ストックオプション」の最新トレンドを押さえよう!

wami career

スタートアップ界隈では、今年5月末以降にあるキーワードがインターネット上で盛り上がっていました。それは「ストックオプション」です。

ストックオプション(以下、SO)とは「会社が従業員や取締役などに対して、あらかじめ定めた価格で自社株を取得できる権利を付与する制度」であり、もう少し踏み込むと「市場価格よりも自社の株を安く買って良い権利」というわけです。

ストックオプションのメリット&デメリット

将来株価が上昇した時点で株式を売却すれば、行使価格と株価の差分が利益として得られることになります。特に未上場のスタートアップは事業成長のリスクが高いフェーズで、あるいは前職よりも給与を下げてでも入社してくれたメンバーへのリターンとして用意している企業が多く存在します。

例えばですが、以下の記事にあるとおり、1億円以上の金融資産を手にする人もいます。

>> 上場前ベンチャーでストックオプションをもらえば億万長者になれるのか?

と、夢のあるSO制度ですが、デメリットもあります。

それは、行使できるタイミングが限られるということです。SOは、権利行使期間が「SOの付与決議日後2年後を経過した日から15年を経過する日まで」と定められております。

仮に付与されて2年経ったとしても、その会社が上場していなければ、SOを行使しても(売り先が無いため)意味がありません。一方、無事上場してすぐに権利を行使しても、ロックアップという株式の売却ができない期間(多くは6ヶ月)が存在します。

また、SOを行使する前に退職すると、権利自体が消失してしまう企業が大半です(最近は退職しても権利が残り続けるSOを発行する企業もありますが)。そのため、上場後2年ほどはスタートアップに残り続け、SOを行使したタイミングで一気に退職者が出るというケースも珍しく無いというわけです。少しネガティブな言い方をすれば、我慢して残っているような人も少なくありません。
(私自身がSOの専門家というわけではないため、あくまで参考程度でご認識ください)

 

ストックオプションの課税について

さて、冒頭の話に戻りますが、今回、盛り上がったきっかけは「スタートアップの経営者や支援者のためのストックオプション税制説明会」が5月29日に開催されたからであり、「国税庁の方々から直接、スタートアップの経営者と支援者に向け、ストックオプションの課税関係にかかる詳細な説明」を行う機会となったからです。

>>タートアップの経営者や支援者のためのストックオプション税制説明会

特に「『信託型SO』の課税関係」に関する取り扱いに注目が集まっておりましたが、結果として、信託型SOを行使済みの企業で働くメンバーには課税等で厳しい内容となっております。そのため、信託型SOを導入している既上場スタートアップの経営者からは厳しい意見が多く出ているわけです。

一方、税制適格SOには大きなメリットを生む変更がなされようとしており、未上場のスタートアップにとっては「画期的な変更」という声も多く出ています。

今回の説明会について、ざっくりした結論が書かれているツイートです。

 

また、以下の記事はとても読みやすく解説が書かれています。

>>【教えて編集部】ストックオプション「税率見直し」誰が得か

さらに、より詳細を把握したい場合は以下の記事が参考になります。

>>【解説】信託型SO問題まとめと、スタートアップがとるべき具体的対策

 

まとめ

スタートアップ に転職するすべての人がSOを手にするわけではありませんが、もし入社を希望するスタートアップにSO制度があり、付与される可能性があるのであれば、最低限の知識を身に付けておくことがオススメかと思います。

ご参考までに以下の記事がとても分かりやすいので、未上場のスタートアップに転職を検討される方はご一読ください。(信託SO、税制適格SOに関する説明も含まれています)

>>【経営者必読】ストックオプション制度とは?仕組み・種類・メリット/デメリットを完全体系化!新株予約権との違いも解説!