アメリカ在住でメンターのNanaです。
最近米国で、レストランの注文時やお会計時にToastというサービスを見かけるようになってきました。先日食事をしていた際、お会計時に渡された伝票にQRコードの記載があり、支払いは『そのQRコードを読み取ってApple Payで支払うだけ!』というとても便利なプロセスで、Toastに興味が湧き、調べてみたので、今回はそのToastというサービスについてご紹介したいと思います。
Toastってどんな会社?
Toastは2011年にボストンで創業されたレストランに特化したTech企業です。
POS管理(メニュー作成など)、レストラン内でのオペレーション(注文や席の管理・支払いなど)、オンライン注文や配達、従業員の給与支払いまで、レストランが必要なシステムをクラウドベースのプラットフォームとしてオールインワンで提供しています。
2020 年 4 月、COVID-19 によるレストラン業界への経済的影響により、従業員の 50% を解雇したという苦しい時期もあったようなのですが、2021年9月にはIPOし、当初の時価総額が約 200 億ドルと、2021 年最大のアメリカの IPO の 1 つとなりました。
2023 年 2 月には、デジタルディスプレイソリューションやドライブスルーテクノロジーのプロデューサーである Delphi Display Systems を買収したことが発表され、飲食業界に更なる旋風を巻き起こしそうな勢いです。
Forbes Releases 2021 Cloud 100 ListやThe Best Restaurant POS Systems 2023にも選出されていて、現在、POSシステム市場の21.9%を占めていると言われています。因みに日本には未進出です。
Squareとは何が違うの?
POSシステムと言えば、日本にも進出しているSquareが市場シェア1位ですが(現在、POSシステム市場の28.79%を占める)、2つのサービスにはどのような違いがあるのでしょうか。
米国の比較サイトを見ていると、大きく目立った違いはイメージでしたが、Toastは、24 時間年中無休のカスタマーサービスという点がSquareより優れているというユーザーの声がいくつかありました。また、Squareとは違い、飲食店のみに特化しているので、Uber Eats、Grubhub、DoorDash など、多数のサードパーティ企業と直接統合できるようにもなっています。このように、テイクアウトサービスの簡易化にも力を入れている点はSquareと異なりそうです。
一方、Squareは飲食店以外の小売店でも利用できたり、また簡単に始められるような仕組みを整えたりしていました。具体的には、店舗との契約について、Toastが2年契約という縛りがあるのと比べ、Squareは月更新でいつでも解約可能な契約形態となっています。
▶︎参考記事 『Toast vs Square (2023 Comparison)』
まとめ
今回はレストランテックサービスのToastをご紹介しました。いつもお会計時には、スタッフの方を呼んで伝票をもらい、その後スタッフの方にクレジットカードを渡し、最後領収書を受け取るというプロセスでしたが、Toastは伝票さえ受け取ってしまえば支払いが完了し、領収書もメールで受け取ることができるので、特に混み合っている時間帯などには本当に便利だなと思いました。日本進出を考えているのかどうか、とても気になるところです。
まだまだ良い米系IT企業(良いサービス)はたくさんあるので、今後も引き続きご紹介していきたいと思います。
【TEXT:Nana】